出水の中央児相の大塚璃愛來さん虐待死事件。
2019年8月28日に鹿児島県出水市の大塚璃愛來さん(4歳)が、母親の交際相手であった日渡駿(21)の暴力によって亡くなったニュースを覚えているだろうか。
つい最近のニュースであり、まだ年端もいかぬ少女が暴力によって殺されたという理不尽に激しい憤りを感じた人も多くいるだろう。
悲しい事件のため思い出したくない方もいるかもしれないが、本記事では今後このような事態にならないためにも事件概要や今後の課題などを紹介していく。
事件概要
3月21日夜間に一人でいるところを保護されており、体にはあざが見受けられたため警察が児童相談所(以後児相)へ連絡をしている。
また2019年4~6月の間に合計15日間保育園に登園をしていない期間があり無断で休む場合が多かった。
そして8月5日にも病院の職員が体の数か所にあざが見受けられることを確認している。
8月27日自宅で日渡容疑者に頭を殴られ、翌日28日に運ばれた病院内で死亡が確認された。
数か月前からあざがあったため暴力は継続的に行われていたとされ日渡容疑者の突発的な行動ではないと推測できる。
どうして防げなかったのか
第三者からあったあざの確認や無断で保育園を休むなど、虐待の兆候が見られていたのになぜ防ぐことができなかったのだろうか。
一般的に考えればすぐにでも虐待があるとわかりそうだが、詳細を追っていくと市や児相などで様々な判断ミスがあったことがわかる。
まずあざの有無を警察が児相に報告していたため、状況を確認するために児相は定期的な監視を行っていた。
また育児放棄との認定もされており市なども協力して確認作業を行なっている。
しかし母子との関係は問題ないという見解のため一時保護はせず、母親と交際中の男がいることも確認していたが同居しているかは把握できていなかったため特に対応はしていなかった。
つまり問題性は薄いとの判断で経過観察のみという結果に至ったとされ、このような事件が起きてしまった。
児相も市も忙しいとはいえこれは判断ミスと言わざるをえなく、詳しく調べていればという「たられば」の後には悲しみしか残っていない。
これからの課題
虐待自体の撲滅が前提となり、精神的な辛さから暴力を振るってしまうと感じた場合は直ちに相談する意識を持たせることが課題となる。
またすでに起こってしまった場合は近所や通っている学校の教員などが異変を敏感に感じ取ることが重要であり、児相や市も忙しさなどにかまけて軽視しないことが課題となるだろう。