「ホモは襲っても警察に届けないから…」同性愛者を狙った連続暴行恐喝事件が殺人事件に発展
2000年2月11日早朝、江東区の夢の島公園で大田区に住む無職・Sさん(33歳)が死んでいるのが発見された。まもなく、高1・A(当時15歳)、中3・B(当時14歳)、中野大助(当時25歳)の3名が逮捕された。
夢の島緑道公園は同性愛者の発展場でもあり、3人は同性愛者を狙って、金を巻き上げていた。
事件の経緯と動機
中野と少年A・Bについて
事件当時、Aは都内の定時制高校1年生、Bは江東区立の中学3年生、中野は無職だった。AとBは同じ都営住宅に住んでおり、3人は同じ中学出身。しかし、中学校内ではAとBの接点はなかった。
Bは中学3年の1学期までは遅刻・欠席はあったものの普通に登校していたが、2学期になるとまったく登校しなくなった。3年生になってからは他の生徒に暴力をふるったことが3度あった。校内では1人でいることが多かったという。
「ホモは襲っても警察に届けないから…」
少年たちはて99年頃から発展場である夢の島公園(江東区)を訪れる同性愛者に狙いをつけては、脅迫・暴行を繰り返していた。
これらの行為は小遣い稼ぎでやっていた。被害者たちは同性愛者であることをしられるのが警察にあまり届けないことを、知っていたのである。この「同性愛者狩り」にはA、B以外に20数人の少年が関わっていたとされる。
事件当日
2000年2月10日PM11時ごろ、グループは夢の島公園にいた大田区に住む無職・Sさん(33歳)に狙いをつけた。Nが見張り役になり、AとBが因縁をつけ、Sさんに金を要求した。その後、AとBの2人はSさんの頭や顔を手や丸太で殴ったり、蹴ったりして死亡させた。3人は現金8000円入りのSさんのサイフを盗り、逃走した。
翌11日早朝、ジョギング中の男性がSさんの遺体を発見される。司法解剖の結果、頭部や顔面を鈍器のようなもので激しく殴られたことによる外傷性ショック、内臓破裂などが死因と判明した。
2月16日、1月26日に別の男性(当時51歳)に因縁をつけてトラブルになった件について警察署でAとBが事情聴取を受けていた。この時、Sさん殺害についても関与を聞かれたが2人は否定していた。
しかし、鈴木さんが遺体で見つかった現場にBの運動靴の底の文様の足跡があったことや、靴についていた血痕がSさんの血液型と一致したことを挙げられると、自供した。Sさん殺害前にも同公園内で同じように人を襲ったことがあるという。夢の島緑道公園は同性愛者の発展場でもあり、3人が同性愛者を狙って、金を巻き上げていたこともわかった。
2月19日、中野が逮捕された。
判決とその後
2000年3月3日、城東警察署は本件と関連する事件で新たに4名の少年を逮捕。(処置ナシ)
11月16日、東京地裁、中野に懲役12年(求刑15年)を言い渡す。
一方、事件に関わった少年のうちA、Bは中等少年院に送致された。