事件・事故

千葉県・木更津市議殺害事件

地元の名士一族に起きた異変。不詳の娘婿が逆恨みで義父を殺害。

2019年3月9日午後7時22分から午後8時50分頃までの間、岡山市に住む無職の石川祥一(44)が、千葉県木更津市内のマンションに立ち入り、同マンション12階の一室に住む同市議会議員の石川哲久市議(71)の頭部をハンマーで殴り、包丁(刃渡り21.1センチ)で胸や腕を複数回刺して殺害した殺人事件。

祥一は哲久市議の娘婿であった。

午後8時50分頃、哲久市議と夕食後、外出先していた帰宅した妻が帰宅し、玄関先で倒れている血だらけの哲久市議を発見した。

妻は他の住人に通報を頼み、110番通報。

通報を受けた警察官がマンション付近の防犯ビデオ映像を確認するなどして犯人の特定を進めていたところ、石川祥一は、翌10日、東京都内にいたところ警察官に逮捕されました。その際、石川祥一は犯行に使ったと思われる包丁、ハンマーを所持していました。

犯行動機は?

石川祥一は「哲久市議を恨んでいた。」などと話した。

また、哲久市議はマンションの管理人に「石川祥一をマンション内に立ち入らせないように。」との指示を受していたことが判明し、石川祥一と哲久市議との間に何らかのトラブルがあったものと推測された。

石川祥一は、昨年、哲久市議から木更津市議の後継者に指名されていたものの撤回されていた。しかも、哲久市議は地元支援者にもその旨を説明していたようである。

石川祥一が哲久市議を殺害した動機の一つとして、突然、指名を撤回され哲久市議の後継者になれなかったことを恨んでいたからではないか、と囁かれた。

他方で、哲久市議から石川祥一へのプレッシャーがあったからではないか、とも言われていた。前述のとおり、石川祥一は、当初哲久市議から将来を見込まれ政治家としての後継者候補に選ばれていた。

また、石川祥一は事件当時、妻、つまり哲久市議の娘との間で離婚調停中であった。妻との話し合いを進める中で、哲久市議側から何らかの圧力やプレッシャーを受けていた可能性などが報道で指摘された。

ちなみに事件直後の2019年4月、哲久さんの妻富美代さん(65)が後継出馬し、初当選した。

逮捕のその後

石川祥一は、逮捕後の勾留期間中、3月26日から事件当時の刑事責任能力を調べるために鑑定留置された。そして、鑑定後、石川祥一は殺人罪、住居侵入罪、銃刀法剣類所持等取締法違反(刃物携帯の罪)で起訴された。

2020年9月23日、千葉地裁で裁判員裁判初公判が行われた。祥一被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。冒頭陳述で検察側は、「哲久さんの後継者となるため会社員を辞め議員を目指したが、思い通りに行かずイライラを募らせた。妻への暴力をきっかけに犯行数日前に妻に離婚を切り出され、今回の事件を起こした」と指摘。弁護側は「出馬や離婚を巡る問題でうつ病が悪化した。凶器は話を聞いてもらうために用意したが、凶器を奪おうとした哲久さんにつかみかかられ、恐怖で攻撃を続けた」と主張した。

2020年9月25日、千葉地裁での裁判員裁判第2回公判。祥一被告の妻が証言台に立ち、「父(哲久さん)が(後継にと)誘ったが、やる気があるならサポートするという趣旨でしつこく出馬を求めてはいない」と発言。一方、被告の実母は「息子はしつこく誘われて、仕方なく受けることにした。『人前で話すのが苦手なのに市議なんて向いていない』とこぼしていた」と証言した。このように、二人の証言には「被告が哲久さんの後継候補になった経緯」について食い違いがみられた。

2020年10月7日、千葉地裁は「離婚を思いとどまらせるため凶器で脅そうとしたとし、殺害は計画的ではなかったとする一方、鬱病の影響は小さく、被告に有利に扱うべきではない」として、懲役15年を言い渡した。

2審の東京高裁も原判決を支持。

2021年8月30日、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は上告棄却を決定した。これにより、石川祥一の懲役15年が確定した。

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