事件・事故

中国自動車道女子中学生手錠放置事件

監禁された車内から飛び降りた女子中学生死亡、犯人は中学教師

2001年7月24日、兵庫県神戸市北区の中国自動車道で女子中学生(12才)が鉄製の手錠を掛けられた上で血を流しているところを発見された。

通報中にトラックに轢き逃げされ、25日未明に死亡が確認された。

中学校教師の福本謙(34歳)が逮捕となり、轢き逃げしたトラックの運転手は聴取の合間に自殺している。

犯行の経緯や動機

犯人の福本は兵庫県香美町にある立香住第一中学校の教師である一方、手錠や女子中学生に執着しており、援助交際の相手として10代半ばの女子を狙っていた。

被害者の女子中学生は父親から虐待を受けており、2000年に姉と共に児童相談所を訪れ、同年11月より別々の施設に預けられていた。

2000年6月以降、テレクラやツーショットダイヤルを利用するようになる。

2001年7月24日、被害者と犯人の福本がツーショットダイヤルを通じて知り合い、吹田駅前で被害者と会いワゴン車に乗った。

宝塚インターチェンジから中国自動車道に入り、福本は後部座席に乗っていた被害者に手錠を掛けて、催涙スプレーを吹きかけた。

神戸市北区に差しかかったあたりで、被害者は手錠姿のまま後部座席のドアを開け、時速80kmで走っていた車内から飛び降りた。福本はすぐに被害者の転落に気づいたが、そのまま逃げ去った。

同日午後10時36分、中国自動車道の神戸市北区の下り車線を通りかかったトラック運転手が路肩付近で車線を塞ぐようにうつ伏せに倒れて血を流している被害者を発見、警察に通報した。

通報の最中にトラックが被害者を轢いて走り去り、約1時間後に病院へ搬送された。女子中学生は心肺停止状態で全身に擦過傷があり、頭蓋骨骨折および脳挫傷、複雑骨折しており、懸命な治療が行われたものの、25日未明に失血死した。

同年9月8日、福本は被害者に手錠をかけて監禁し、高速道路上に放置した疑いで兵庫県警に逮捕された。

判決とその後

裁判で検察側は、暴行目的で女子中学生を監禁して車外に落下したことを認知しながら現場から立ち去ったことは殺人罪に匹敵する重罪として、懲役12年を求刑した。

対して弁護側は、女子生徒が車から飛び降りることは想定外な上に死因は後続車にあるため殺人に匹敵する重罪は酷であり、責任は援助交際により金品を受け取ろうとした被害者の女子中学生にも存在するとして検察側に反論した。

2002年3月25日、神戸地裁により懲役6年の実刑判決が決定した。検察側が控訴したが同年11月26日に棄却された。

また、高速道路に投げ出された少女をひき逃げしたトラック運転手はその後、県警高速隊西宮北分駐隊の任意の事情聴取中に首吊りし、死亡している。

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