メディアの過激な報道、父親を犯人扱いするも逮捕されたのは別人
2007年11月16日の朝、香川県の坂出市で三浦啓子さん(58歳)と孫姉妹の山下茜ちゃん(5才)、彩菜ちゃん(3才)が行方不明となり、未明に殺害・遺棄された。
犯人として三浦さんの義弟である川崎政則(61歳)が逮捕された。
マスメディアが被害者姉妹の父親を犯人扱いした報道をしたことで後に謝罪する事態となった。
犯行の経緯や動機
11月15日の18時頃、被害者姉妹が祖母の三浦さん宅へ泊まりに行った。
姉妹の母親は三浦さん宅へ午後7時頃と午後10時頃に電話、三浦さんと姉妹の声を聞いている。また午後11時頃に三浦さん宅の灯りが消えているところを姉妹の父親が確認している。
翌日午前7時頃、姉妹の母親が三浦さんに2度電話を掛けるが留守電であった。
不審に思い三浦さん宅を訪ねると玄関の鍵が開いており、3人がいなくなっていることと寝室の血痕を発見。母親は怪我をしたと思い複数の病院に電話を掛け、午前9時頃に姉妹の両親が坂出署に捜索願を届ける。
18日には香川県警に捜査本部が設置され、11月16日未明から早朝の間に何らかのトラブルがあったとみて捜査を行った。
警察の任意取調べにより三浦さんの義弟である川崎が3人の殺害・遺棄を自供。11月27日夜に死体遺棄容疑で逮捕された。
翌28日に捜査員が川崎の供述通りに山中へ向かったところ港に捨てたと供述を一変。坂出港で三浦さんと茜ちゃん、彩菜ちゃんの遺体が発見された。
また川崎の供述で同港の海底から三浦さんの携帯や自転車を発見。12月18日に山口は殺人容疑で再逮捕された。
判決とその後
2008年7月17日、高松地方裁判所で川崎の初公判が実施されるが、争点は川崎の責任能力の有無に絞られ、精神鑑定が決定し中断。翌年3月9日に再開された。
3月16日に判決公判で川崎の完全責任能力が認められ、動機が身勝手で酌量の余地はないとして検察側の求刑通りに死刑判決が言い渡された。弁護側は控訴するも棄却、上告も棄却されて2012年7月12日に死刑判決が確定。
2014年6月26日、大阪拘置所で川崎の死刑が執行された。
上告も棄却されて2012年7月12日に死刑判決が確定。
2014年6月26日、大阪拘置所で川崎の死刑が執行された。
事件発生後にメディアが姉妹宅へ殺到。父親が憤りを見せたことでメディアは姉妹の父親を犯人ではないかと報道した。
過熱したメディアの取材や報道姿勢を受けて香川県警記者クラブは総会を開き、節度ある取材を訴えた。
特にあからさまに父親を犯人とする発言をした報道番組やタレントが謝罪、処分を下される事態となった。