事件・事故

山口県下関市6歳女児殺害事件

母親の元交際相手が付きまとい、次女が首を絞められ死亡

2010年11月28日に山口県下関市のアパート2階で火災が発生し、その家の次女である松原莉音ちゃん(6才)が行方不明となった。

その後アパート近くで倒れているところを発見され、病院に搬送されるも死亡が確認された。

莉音ちゃんの死因は絞殺であり、犯人として母親の元交際相手・許忠志(27歳)が逮捕された。

この事件では特に「間接証拠の信用性と評価」が争点となった。

犯行の経緯や動機

2009年9月犯人の許は莉音ちゃんの母親へ暴行し逮捕、DV防止法に基づいて莉音ちゃんの母親への接近禁止命令が出された。

2010年9月下旬、現場となった下関市彦島福浦町のアパートに母親と長男長女、次女の莉音ちゃんが引っ越す。

同年10月20日には莉音ちゃんの母親は知人に、男に付きまとわれていて逃げるために引っ越してきたと話していた。

当事件の5日前、莉音ちゃん宅のポストに入れていた鍵が無くなっていることに、その家の長男が気づく。

事件当日の2010年11月28日午前5時頃、アパートの敷地内で不審な男が住人によって目撃される。その後女の子と思われる助けを求める声が聞こえるも静かになる。

同日午前5時20分頃、不審な男がアパートから車で去るのを住人が目撃。

10分後の午前5時30分、莉音ちゃん宅の長男と長女が隣の部屋に住む男性に火災の発生を知らせて助けを求め、男性によって救助される。このとき母親は仕事のため外出中であった。

男性の消火活動によって鎮火したものの、長男と長女が次女の莉音ちゃんが居ないことに気づき男性の妻が通報、駆けつけた消防隊員や警察官によって捜索された。

アパート付近の側溝で、上半身裸で靴も履かずに仰向けで倒れている莉音ちゃんが発見された。病院に搬送されたが1時間半後に死亡が確認された。

山口県警の捜査により莉音ちゃんの死因が首を絞められたことによる窒息死であることや、死亡推定時刻が判明した。後に凶器は扇風機のコードであることや、倒れていた莉音ちゃんの傍に許とDNAの一致するタバコの吸殻が発見されている。

捜査本部の調べにより、住人が不審な男を目撃していたことが判明。事件現場の窓ガラスに破損がないことや部屋が物色されていないことから顔見知りによる犯行とみて捜査が行われた。

2011年5月24日、下関署は市内に住む母親の元交際相手である許に事情聴取を行い、同月27日に殺人及び死体遺棄の容疑で逮捕した。

判決とその後

山口地裁で行われた裁判員裁判で許は容疑を全面否定、無罪を主張した。

2012年7月25日、許に懲役30年(求刑無期懲役)が言い渡され、控訴するも棄却された。

長倉哲夫裁判長は判決理由で(1)遺体の近くに落ちていた許被告のたばこの吸い殻(2)莉音ちゃんが寝ていた室内にあったおもちゃに付着した体液のDNAが被告の型と一致するとの鑑定結果――などを基に「被告が犯行時間帯に現場にいた」と認定。「偶然の一致が起こるとは考えられず、被告が犯人でなければ、合理的説明が極めて困難」と指摘した。さらに松原さんを恨んでいたなどの状況を総合評価すると、被告が犯人と認められると結論付けた。

その上で「不合理な弁解に終始し、反省の様子はない」と批判。計画性は否定し、懲役30年が相当とした。

被告に懲役30年、下関女児殺害 山口地裁判決 – 日本経済新聞 2012年7月26日 2:24 配信

判決文が読まれた際には、許が怒って叫び、莉音ちゃんの母親に近づこうと刑務官を払って暴れる姿が見られた。

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