事件・事故

岡山地底湖行方不明事件

多くの疑念を残し、地底湖で大学生が行方不明に。

平成20年1月5日、岡山県新見市にある鍾乳洞「日咩坂鐘乳穴(ひめさかなちあな)」に入っていた高知大学3年で学術探検部所属の名倉祐樹さん(21歳)が、洞窟内の地底湖を遊泳中に行方不明になった。

5日午後6時15分ごろ、岡山県新見市豊永赤馬の洞穴「日咩坂(ひめさか)鍾乳穴 (かなちあな)」(奥行き約1600メートル)の奥にある地底湖(深さ約32メー トル)で遊泳していた高知大学3年生の男子学生(21)が行方不明になった、と一緒に洞穴を訪れていた仲間から110番通報があった。

県警新見署や新見市消防本部などの調べでは、学生は大学の洞窟(どうくつ)探検サークル
に入っており、学生や社会人など近県から集まった計13人で新見市を訪れていた。

不明の男子学生は、計5人(後に証言が一転し13人に訂正される)で午前11時半ごろから洞穴に入り、午後2時半ごろ、 着衣のまま遊泳している最中、行方がわからなくなったという。

新見市教育委員会によると、この洞穴は県の天然記念物に指定されており、洞穴に入るには同市教委への届け出が必要なのに、学生らは届け出ていなかったという。

その後、サークルメンバーは救助を要請するため地上を目指すが、その際、何故か現場には何も残さず、ロープも回収したという。

困難を極めた捜索活動

「隊員歴16年の中でも3本の指に入る大変さだった」

連日行われた捜査の中心的役割を担った岡山県警機動隊の田村吉永(よしひさ)警部補(40)はそう振り返る。

延べ6日間にわたって懸命の捜索が続けられ、発見がならないまま捜索は終了したが、2次災害の恐れも懸念される過酷な状況の中、捜索を支えたのは「何としても救出したい」という思いだった。

「洞くつ最奥部の地底湖で仲間が遊泳中に行方不明になった」と通報があったのは5日午後6時過ぎ。新見署は当初、翌朝からの捜索を予定していたが「洞くつは昼も夜も関係ない」と徹夜での捜索が決まった。

暗やみの中、行方を遮る今にも崩れ落ちそうな岩。小隊長として数々の現場をこなしてきた田村警部補だが「最初の日は文字通りの手探り。着いても戻って来られるかと本当に不安になった」と話す。

洞内は胸まで水に浸かる個所や、高低差20メートルをロープで降りる断がいなどの難所が続き、湖への到達には約3時間を要した。ポケットのビスケットはほふく前進で砕け、ずぶ濡れの制服が体温を奪う。機材も十分に搬入できず、地底湖に浮かべるボートは半分浸水した状態。湖面からの声はドーム状の地形に吸収され、岸の隊員へは届かない。帰りの体力を考えれば捜索は3時間が限度だったが、何度もいかりを下ろし湖底を探った。

捜索には経験豊富な大学OBらも同行した。「彼らのサポートがなければとても湖まで到達できなかった」と感謝する一方、小隊長として「2次災害は絶対に起こしてはならない」と言い聞かせ、関係者の安全確保を第一に考えた。

懸命の捜索も実らず捜索は同月10日で終了した。

なお、この事件の影響で日咩坂鍾乳穴は現在も入洞禁止とされたままである。

残された多くの謎

  1. 入洞届を提出してない
  2. 5人いたのに地底湖で泳いだのは被害者の1人だけ
  3. 溺れるところを誰も目撃していない
  4. 溺れた時の状況説明がニュースソースによって二転三転する
  5. 「地底湖の壁にタッチして戻る伝統」があったとされており、「タッチした」という声は聞こえたが助けを求める声などは一切聞こえなかった。
  6. 救助活動を行わず現場に誰も(ロープすら)残さないまま全員帰ってきた
  7. 遭難事故では隊長が記者会見するのが普通だが、それが行われない
  8. 探検部のページから部長および副部長の名前が真っ先に削除された
  9. いつもは行き過ぎた報道合戦を行うマスコミが今回は部員に全く取材を行わない
  10. 被害者の知人を名乗る人物が高知大学のリモートホストから2ch(現5ch)に削除依頼
  11. 被害者のmixi(SNS)が改ざんされ、日記が全て削除された。

関連情報と事件のその後

名倉さんのmixiアカウント特定

事件後すぐ、行方不明となった名倉さんの情報がネット上でも捜索された。

その結果、名倉さんが本名で登録していたため、mixiのアカウントが特定された。そこから情報をたどると、部長白石のアカウントもすぐに特定された。

特定直後は名倉さんのニックネームは「クラさん」、白石さんは「はくさん」となっていたのだが、行方不明になって数日後、本人が操作できるはずもない状態にもかかわらず、名倉さんのニックネームが「ホワイト」に変更され、「はくさん」だけがマイミクから外される状態に更新された。(後に「はくさん」も「うすた」に変更された)

また、これと並行して日記の内容(サークル活動に関する記述)も改ざん・削除された。

ちなみに、これらのことがネット上で指摘されると、名倉さんと白石のアカウントはマイミクに戻されたが、このことで「名倉さんのアカウントを操作しているのは白石なのでは?」と推測された。

マイミク登録には、双方のアカウントにログインし、それぞれが承認の手続きを行わなければならないことや、名倉さんの改変後のニックネーム「ホワイト」が白石が操作していることを表しているのではないかと想像できることがその理由である。

部長・白米美帆と副部長・伊藤智子

事件後、通常なら開かれて然るべき記者会見が開かれなかった。

さらに、事件後すぐ高知大学学術探検サークルのホームページから、「部長 白米美帆」「副部長 伊藤智子」の記述が削除されたことで、隠さなければならない後ろ暗いことがあるのではないかという憶測がネットを中心になされた。

加えて、名倉さんのmixiアカウント特定後、部長白石とみられるアカウントのアカウント名が変更された上、何故か名倉さんのマイミク(Twitterでいうフォローのような機能・状態)から白石が外された。

これによって、白石が名倉さんのアカウントに不正にアクセスし、そのような操作を行ったのではないかという疑惑が生じた。

同時に名倉さんのmixiの日記が、部の活動に関するものを中心に削除されたため、このことも「部長が何かを隠すために消したのではないか」という疑惑の種となった。

高知大学学術探検サークルの伝統

高知大学学術探検サークルのメンバーのブログが発見され、その内容が次のようなものだったため話題となった。

最奥では入り口からリレーしてきたクリスマスケーキをくいました。この日はクリスマスイブでしたからね。旨かったです。

また、削除・非公開になる以前の名倉さんの日記の内容やこのブログの他記事の情報から、サークルでは過去に同洞窟内で飲酒や裸になるといった行為など、繰り返し度を越えて羽目を外してきた過去の様子が確認されている。

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