冷蔵庫から女性の遺体、共犯者の供述で更に遺体発見
2012年5月に福井県の九頭竜湖で愛知県一宮市で飲食店の店員をしている森岡まどかさん(27歳)の遺体が冷凍庫に入った状態で発見された。
犯人として店の常連客である岐阜県美濃加茂市の林圭二(42歳)と同県富加町でトラック運転手をしている渡辺智由(犯行当時36歳)が殺人及び死体遺棄の疑いで逮捕された。
更に2009年から行方不明であった愛知県小牧市出身の浅埜江里さん(26歳)の遺体が愛知県犬山市の山中で発見され林が再逮捕となった。
犯行の経緯や動機
林と渡辺は会社の同僚であったが2004年に2人同時に辞職した。
同時期に林と江里さんの交際が始まるが、林は浮気等を理由に江里さんへ対して暴力を振るい、賠償金名目で金銭を搾取した。
また江里さんを風俗店で働かせて、江里さんへ好意を抱いていた男性Aへ金を振り込ませて林自身が使っていた。
その後、林は江里さんを部屋に閉じ込めてライブチャットで金を稼がせ、暴力を振るい始める。排泄をビニール袋やペットボトル等にさせ、それにも林への許可が必要であった。
また林は江里さんの首に鎖を繋いで部屋に立たせて寝ると首が締まるようにしていた。
2009年7月頃、江里さんが死亡。愛知県犬山市の山中に遺棄した。
江里さんの死後、林は江里さんの口座から約474万円を引き落とし、江里さんになりすましてAに金を振り込ませ続けた。
林は2008年頃に一宮市の飲食店で店員のまどかさんと出会った。他の店員に交際を申し込み断られた林はまどかさんに邪魔されたと思い殺害を計画。
同年11月24日、勤め先の飲食店から帰宅したまどかさんが自宅から客の誕生日を祝うといって車で出かけて行方不明となった。
林と渡辺は共に愛知県犬山市の駐車場に止めた車の中で、まどかさんの首を手で絞めて殺害。
遺体を岐阜県美濃加茂市にある林の自宅へ移し、冷凍庫に入れて車で運び九頭竜湖に投げ捨てた。
2012年5月、冷蔵庫に入れられたまどかさんの遺体が九頭竜湖から発見され、同年10月26日に林と渡辺が死体遺棄の容疑で逮捕。更に殺人の容疑で再逮捕された。
2人は犯行を否認していたが、まどかさん殺害を認めた渡辺が江里さんの死体遺棄を証言。
警察の捜査により愛知県犬山市の山中から人骨を発見し、鑑定により江里さんであることが判明。林は江里さんに対する傷害致死でも逮捕された。
判決とその後
2011年、愛知県一宮市の森岡まどかさん(当時27歳)を殺害し、遺体を九頭竜湖に棄てた罪に問われている渡辺智由被告(37)の裁判が行われ、主犯格とされる林圭二被告(42)と「2002年ごろ知り合った」と話した。
検察側は「計画性が高く、悪質だ」と述べ、懲役16年を求刑した。
検察側は論告で「冷凍庫が沈むよう細工するなど、3カ月前から準備していた」と指摘。また、「女性は結婚が間近で、殺害される落ち度は全くなかった」と非難した。
弁護側は最終弁論で、元同僚の中古車販売業林圭二被告(42)に長年従属させられ、逆らえなかったと主張。渡辺被告は「女性のことを忘れることはない。刑は重い方がいい」と陳述した。
また、渡辺被告は、林被告が同僚の車に傷をつける姿や、交際相手を監禁して暴行を加える姿を見るうちに「逆らうと怖いと思うようになった」と証言した。
2015年2月9日から名古屋地裁(景山太郎裁判長)で渡辺の裁判員裁判が行われ、3月2日に懲役14年が言い渡された。景山太郎裁判長は「高い計画性に基づく、残忍で卑劣な犯行だ」などと述べ、検察側、弁護側共に控訴せず確定した。
2016年5月27日から林の裁判員裁判が行われ、11月2日に無期懲役が下されて控訴・上告するも棄却
2018年10月24日付けで林の無期懲役が確定した。