海外・シリアルキラー

ゲイリー・リッジウェイ

ゲイリー・リッジウェイの生い立ち

ゲイリー・リッジウェイは、1980年代から90年代にかけて、49人以上の女性を殺害、アメリカ全土を恐怖に陥れたシリアルキラーだ。母親との異様な関係は、彼の人格形成に大きく影響している。

ゲイリーは1949年2月18日、ユタ州ソルトレイクシティに住む、トーマスとメアリー・リッジウェイ夫妻の次男として生まれた。メアリーは威圧的な女性で、精神的・身体的に夫と3人の息子を支配した。過干渉な面があり、それは13歳になっても夜尿症を繰り返すゲイリーの体を毎回洗ってやるほどだった。

思春期に入ったゲイリーは、支配的な母親に対し、性的対象として見ると同時に、殺害を空想するほど強い憎悪を抱くようになる。

母親の過干渉は、ゲイリーが成人してからも続いた。彼の2番目の妻マルシアによると、義母は夫婦のお金の使い方に口を挟み、ゲイリーの服を購入するかどうかまで決めていたという。マルシアに対しては、孫の世話をおろそかにしていると責め立てた。自分を擁護しようとしない夫に愛想を尽かしたマルシアは、この件をきっかけに、ゲイリーの元を去る。

グリーン・リバー・キラー

1982年7月15日、ワシントンを流れるグリーン川に浮かぶ、ウェンディ・リー・コフィールド(16)の遺体が発見された。その後グリーン川周辺で次々と死体が見つかり、発見された数は1984年までに28体に及んだ(49番目の遺体が発見されたのは2010年)。マスコミは犯人を「グリーン・リバー・キラー」と名付け、センセーショナルに報じた。

リッジウェイは娼婦や家出少女を中心に狙い、性交渉後殺害、遺体をグリーン川とその周辺に遺棄した。遺棄現場を「クラスター」と呼び、変色していく遺体を見ながら、当時の性的快感を思い起こすことを常としていた。死体に対して屍姦することもあった。快楽の延長で他の被害者を殺人現場に連れていき、同じように命を奪った。

逮捕から判決まで

コフィールドの遺体発見から20年近く経った2001年11月30日、リッジウェイはついに逮捕された。犯罪史上最悪の連続殺人事件の容疑で逮捕された犯人は、大量殺人を引き起こすとは考えられないほど、ごく普通の風貌だった。妻のジュディス・モーソンにとっては、よく働く優しい夫として映っていた。

2001年12月18日、リッジウェイは48回の終身刑と1回の無期懲役を言い渡される。被害者全員について供述するという司法取引があったため、リッジウェイは死刑を免れた。2003年以降リッジウェイは余罪を告白し続け、トータルで71件の殺人に関与したことを認めている。FBIは、グリーン・リバー・キラーの被害者は90人以上と推測している。

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