事件・事故

鳥取連続不審死事件

元ホステスの周囲で多数の不審死、起訴されたのはうち2件

2004年から2009年にかけて鳥取県鳥取市内や周辺地域で6件、男性の連続不審死が発生した。

うち2件に関しては犯人として詐欺事件で逮捕されていた元スナック勤務の上田美由紀(35歳)が逮捕された。

犯行の経緯や動機

犯人の上田は2度の結婚を経て5人の子供がおり、鳥取県鳥取市内のアパートに在住していた。

2004年5月13日、上田の当時の交際相手である新聞記者の男性A(41歳)が段ボールを被せられた状態で鳥取市内のJR因美線で列車に轢かれ死亡した。

段ボールには遺書とも取れる内容の文章が書かれており、鳥取県警は自殺と判断してAの司法解剖を実施しなかった。

Aは上田との金銭トラブルがあり、同僚からたびたび借金をしていた。

2007年8月18日、上田と同居していた男性Bが上田の家族と共に鳥取砂丘付近の海水浴場沖合で溺れ、病院に搬送されるも約10日後に死亡が確認された。

上田とBは2001年頃にスナックで知り合い、2005年頃から同居を始めていたが、上田はBへ日常的に暴行を加えていた。またBは泳ぐことができなかった。

2008年2月、鳥取市郊外の山中にて、上田が勤務していたスナックの常連客である島根県警刑事の男性C(27歳)の首吊り死体が発見された。Cが情報収集のため立ち寄った店で上田と出会い交際に発展していた。また2人の間には金銭トラブルがあった。

2009年4月11日早朝、北栄町沖の日本海で上田の元交際相手であるトラック運転手の男性D(47歳)の水死体が発見された。

遺体からは肺から砂が検出される等不自然な点が多いことから他殺の可能性が高いと判断された。

同年10月7日、家電販売店を経営する男性E(57歳)が自宅から約4km離れた鳥取市内の摩尼川で死亡しているところを発見された。

前日、男性Eは家族に対し集金に行くと言い残して車で外出していた。上田及び同居人の男性はEから家電を約100万円購入していた。

捜査の結果、事件現場から約10m離れた場所でEの車が発見され、カーナビの走行記録から上田の自宅敷地を複数回出入りしていたことが判明した。

またEの遺体が発見された事件現場は水深20cm程度の浅い川であった。

同年10月27日、上田とアパートの隣に住んでいた知人男性F(58歳)が体調不良により突然死亡した。

同年9月にFは上田の車を借りて運転中に事故を起こして以降上田がFの食事を運ぶ等世話を見ていた。その前後からFの体調不良が始まっていた。

上田及び同居男性はFの生活保護の金から車の修理費や食事代を受け取っていて9月末にはFは6万円を上田へ支払っている。

被害者男性D、E、Fからは同じ睡眠導入剤が検出されている。

翌2010年1月、上田は強盗殺人罪で逮捕されて最終的に男性DとEへの強盗殺人とその他15件の詐欺、また1件の住居侵入窃盗で起訴された。

判決とその後

2012年12月4日、鳥取地裁は検察側の求刑通り上田へ死刑判決を下した。

弁護側は控訴・上告するも棄却されて2017年7月27日に上田の刑が確定。

更に上田は最高裁へ不服申立てをするも棄却されて8月23日付で死刑が確定した。

逮捕から13年後に窒息死

2023年1月14日、収容されていた広島拘置所に於いて、食事中であった上田死刑囚が突然むせ始め倒れた。

すぐに職員が駆けつけ、上田は病院に搬送されたが約2時間後に死亡した。死因は食事を喉に詰まらせたことによる窒息死だった。

上田死刑囚は同月10日にも食事を喉に詰まらせて病院に搬送されていたが、異常なしとの診断を受け、拘置所に戻っていたという。

上田死刑囚の窒息死が自殺であった可能性はないのか、また管理体制に不備はなかったのかについては今後調査が行われる見込みである。

ちなみに刑事訴訟法では、刑の確定から執行までは「6か月以内」と規定されている。しかしこの6か月以内という規定には法的拘束力はなく、形骸化してしまっている。

ごぼうちゃん

ちなみに、刑の確定から執行までは、平均して5年ほどと言われています。。。そもそも本件に関して言えば、逮捕・起訴から初公判まで約3年もかかっています。。。

死刑制度については、現行の運用に問題がないのかについて考えなければならないだろう。

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